ライターの本音。たまには本音も言いたいの。

ライターとして言いたいこと、言えないこと、日常の気持ちなど、心の動きや思うこと、考察したことを思うがままに記録するブログです。

保毛尾田保毛男に思う、笑いってなんだろう

 

フジテレビの保毛尾田保毛男問題。

 

30代後半の私にとっては懐かしい記憶。

この番組は見ていないけれど、

問題になっていることは知っている。

 

headlines.yahoo.co.jp

 

問題はさらに場外にも飛び火し、

識者(?)コメンテーターやお笑い芸人を巻き込んで

SNSでも論争が起きている。

 

 

中でも、気になったのがウーマンラッシュアワー 村本さんと

フローレンス代表の駒崎氏のやりとり。

 

 

ざっくり言うと、

村本さんの

「辛いのはお前らだけじゃねぇ(私の意訳)」

に対して

「自分が痛いからって人も同じだってことはない」

という反論。

 

 

確かに駒崎氏の反論は社会的には正しいと思う。

「自分が嫌なことは人にしないようにしよう」

日本人が幼い頃から道徳として刷り込まれてきた

正しい概念だと思う。

 

 

でも、村本さんのいうことは

感情的にはとても共感する。

 

 

自分語りで恐縮だが、

私はブスだ。

よくて普通だ。

中の下から下の上と言えば良いのだろうか。

 

 

一般的に生活に困るほどのブスではない。

が、多少の見下しと理不尽がある程度には

ブスだ。

 

 

そんな私は、テレビで

いわゆる「顔いじり」をしているのを見るのが辛い。

ブサイクNo1とか本当に笑えない。

それを笑っている人がいれば、

空気を壊すのも何なので、

心の中ちょっと傷つきながら

その場をやり過ごすことだってある。

 

 

でも、それも現実ではある。

 

 

ブス、ハゲは本人の努力ではどうにもならない。

LGBTもそうだろう。

 

 

本人の意思に反して

背負ってきてしまった重い荷物。

 

 

 

では、これらはすべて

笑いにすることは悪いことなのだろうか。

 

 

 

いや、

それもまた違う。

 

 

 

 

ブス、ハゲ、性同一障害を武器に

笑いに変え生きていった芸人はたくさんいる。

 

 

ブスだって、成功した人もいる

ハゲだって、世界一の人もいる

 

 

 

私は成功したとは言えないが、

少なくとも

生きている。

愛する夫と息子に囲まれ、

友人にも恵まれた。

 

 

 

違いや劣等感で

悩み苦しむことはあるだろう。

LGBTの方の場合、それによる差別も

未だあるのだろう。

それは理解する。

 

 

だが、封印することや規制することは

どこまでが正しいのだろうか。

 

 

 

世界ではアパルトヘイトをはじめ

あらゆる人種差別が横行する。

 

 

 

生まれた国や肌の色、身体的特徴で

笑にすること、相手を蔑むことは

間違っているだろう。

ましてやそこに公権力が加わったり、

権利が阻害されるようなことが

あってはならない。

 

 

 

だが、笑いの規制に何があるというのだろうか。

 

 

 

私はお笑い芸人ではないので

哲学的に信条があるわけではないが、

笑いとは、基本的に「違い」だと思う。

 

 

例えば、普段と同じ道なのに、

ちょっと滑ってこけたり。

いつもとちょっと違う表情をしてみたり。

いつもとは違うくしゃみをしたり。

 

そんないつもと少し違うだけのことに

クスッと笑ったりしているんだと思う。

 

 

もちろん、

大爆笑はその延長なわけで。

 

 

 

そう考えると

ブスというのはあくまで人との違いだ。

だから、悪気もなくちょっと

笑うんだと思う。

 

 

ちょっと人より目が細くって

ちょっと人より顔が大きくて

ちょっと人より足が短くて

ちょっと人よりコミカルな動きになって

 

 

そう思うと、笑いはいつも誰かを少しだけ

傷つけているのだろうか。

面白いと思うことは

違いを指摘して欲しくない人の心を

傷つけてしまっているのだろうか。

 

 

 

だとしたら、何が笑なんだろう。

みんなが笑顔になるって

本当はとても残酷で、

本当はとても悲しんでいる人がいるのだろうか。

 

 

今回のことでLGBTの人は

「触れてはいけない」ものになった。

 

 

正確に言うならば

「触れるとめんどくさいもの」になった。

 

 

フジテレビの謝罪は

まさに騒がれたからしたのだろう。

早めに収束したいから。

人権問題になってしまうから。

危機管理としては正しいと思う。

彼らも客商売だから。

 

 

でもこれはLGBTの方が

望んだ結果なのだろうか?

 

 

 

笑いにすることで社会に溶け込むことができる、

でもその結果、傷つくこともある。

 

 

阻害されてしまうことで、

距離を置かれてしまうこともある。

でもその結果、傷つくことはないかもしれない。

腫れ物に触るようなものだけれど。

 

 

笑いって難しいね。